昨今、世界では「気候危機」とまで呼ばれるようになった気候変動問題や、先進国における高齢化と人口減少の同時進行に伴う労働人口の減少問題など、解決に向けて一刻の猶予も許されない課題が山積しています。こうしたなか、「ESG」と呼ばれる非財務面での取り組みが、社会のサステナビリティに貢献する取り組みとして、また企業の中長期的な成長を支える重要な経営戦略として注目されています。

ＮＳＤグループは、経営理念に「社員・お客様・株主の皆様との共存共栄を企業活動の原点として、人や社会に役立つソリューションの創造・提供を通じて、社会の健全な発展に積極的に貢献」することを掲げています。サステナビリティに関する様々な社会課題をITの力で解決し、持続的な社会の実現に貢献していくことは、まさに経営理念の実践であり、責務であるといえます。
こうした状況を踏まえ、当社グループは、社会とともに持続的成長を目指していくとの決意をサステナビリティ宣言としてまとめ、サステナビリティ経営を成長戦略として実践してまいります。

社会のサステナビリティの実現に実効的に貢献していくためには、ESGに関連する多岐にわたる課題のなかから、ＮＳＤグループの強みや業界特性を踏まえて取り組んでいくことが重要です。そこで、サステナビリティ宣言の採択とともに、マテリアリティ（重要課題）を特定しました。
まず、IT企業として、自社のサステナビリティ課題にとどまらず、お客様のサステナビリティ課題の解決にも貢献すべきとの観点から、ITを活用した社会イノベーションをマテリアリティに掲げました。ＮＳＤグループの先端技術やDX分野でのノウハウを発揮し、お客様が抱える環境課題を含む様々な社会課題をソリューションの創出・提供を通じて解決することで、社会のサステナビリティに貢献してまいります。

ＮＳＤグループの抱える課題に対しては、環境面（E）では、気候変動・環境保全に係る課題解決に貢献するため、事業活動により発生するエネルギーの管理や廃棄物処理への対応等に取り組んでまいります。我々はデータセンター等の膨大なエネルギーを消費する施設は保有しておりませんので、オフィス電力の削減等に注力します。
社会面（S）では、我々の事業にとっての最も重要な資本は人財であるとの認識から、健康経営の推進をはじめ、人財開発の強化、社員の働きがいの向上等を図るほか、ビジネスパートナーとの公正な労働慣行の確保などを推進してまいります。加えて、DX時代に対応するIT企業として、情報セキュリティに対しても堅確に取り組み、お客様をはじめ社会の信頼に応えてまいります。
ガバナンス面（G）では、実効性のあるコーポレートガバナンスとコンプライアンスが企業経営において不可欠な存立基盤であると認識しています。これらの体制を着実に運営し、堅実かつ透明性の高い経営を実践するとともに、コンプライアンス意識の醸成・徹底に努め、持続的成長のための経営基盤を確固たるものにしてまいります。

ＮＳＤグループは、サステナビリティへの取り組みを通じて、「人とITの未来」を提案する企業として、社会課題の解決に必要とされる価値を創造し、より良い未来に向けて社会とともに持続的な成長を目指してまいります。
今後とも皆さまからのご支援をいただけますよう、よろしくお願いいたします。