
AI-OCR+NSD独自の文書抽出・構造化アルゴリズムにより、SDS関連の「化学物質の特定および使用量把握」に伴う作業効率化と管理の一元化を一手に解決。
- 国または顧客への報告義務があり正確性を求められる業務
- AI-OCR+NSD独自の文書抽出・構造化アルゴリズムにより作業効率化
対象となる業務
「化学物質の特定および使用量把握」、安全データシート(以下、SDS)の一覧表作成

化学物質は、「労働安全衛生法」や「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律(以下、PRTR法)」の2つの法令によって管理が定められています。
各製造所・工場では、法令に定められた化学物質の含有量を把握するため、製品・材料の購入先からSDSを入手し、製品単位で一覧化・使用量の管理を行います。
- 使用量や排出量が一定の基準を超える場合は、PRTR法に基づき、関係省庁への届け出が必要となります。
- 含有している化学物質が、労働安全衛生法に該当か非該当か確認し、必要な対処を看板表示したり、健康診断等を行うなどの対応が求められます。
抱えていた課題
形式がバラバラで膨大な量のSDSを、手作業によりExcelの一覧表化しており、法令対応や改正への追従も含め、運用に限界を感じていた

- 対象化学物質の数が膨大
- 労働安全衛生法:約700種(リスクアセスメント対象)
- PRTR法:約515種(第一種指定化学物質/2025年現在)
- SDSの形式がバラバラ
- 紙面やPDF、記載内容も発行元によって異なる
- 法改正が頻繁に発生
- 管理対象の変動により、都度見直しや再チェックが必要
- 更新作業や確認の手間が重く、現場の負担が増大
- Excelでの手作業に限界
- リスク把握や法令誤認によるコンプラ違反のリスク
- 記入漏れや二重チェックなど、運用面の非効率性が顕在化
NSDのアプローチ
各社のSDS(PDF形式)をAI-OCR(Azure AI Document Intelligence)で読み取り、必要な情報をデータ化。さらに、NSD-DXテクノロジー社独自のアルゴリズムで抽出・文書構造化処理を行い、化学物質情報をデータベース化することで、化学物質管理システムとして活用できる仕組みを構築しました。
お客様からのコメント
社内DX化の推進役を務める繁尾様

執行役員 営業管理・物流企画・IT企画推進管掌
繁尾 征一 様
大半の日本企業経営者は現在2つの恐れを抱いています。
1つ目は「耳慣れぬAIを使いこなさねば時流に乗り遅れる!」。2つ目は人口の減り始めた日本の縮図として「人手不足に陥り、ビジネスに支障を来すのでは?」。追い込まれた者はワラをも掴む。ランプの妖精の様に何にでも解決策を示す万能な存在としてAIを神格化する風潮が強い中、本件は「AIもピンキリ、地道な作業を置き換えるだけで随分と仕事のやり方が変わるんだ」と納得する一方、AIイメージを正しく理解する一助となりました。
利用者様からの声
さらなる生成AIの活用と、他工場への活用展開へ

これまで化学物質管理は気が遠くなる程の作業が発生しておりましたが、化学物質管理システムを構築したことで労働安全衛生法、PRTR法で分けられていた管理体制が一本化され、作業の簡素化とチェック体制を強化していただきました。今後もシステムを有効活用し管理体制を強化して参ります。
プロジェクトを通じて
NSD社内「DX・AI・ソリューション事業特別賞」を受賞

イノベーション戦略事業本部
DX事業部 DX開発部 小川智嗣
考え、悩みぬいた“+αの提案” 目指したのは“使いやすさ”です
工場担当者様と密に連携し、要件を丁寧にご確認させていただき、操作感のズレを防ぎ、誰もが使いやすいシステムを実現しました。さらに、利便性を高める+αの提案を重ね、お客様の社内での社長表彰や追加開発のご依頼につながるなど、高い評価をいただきました。現在も生成AI活用による精度向上をNSD-DXテクノロジーと協働で提案中です。
お客様情報

日鉄建材グループは、鉄鋼建材事業を中核として、安全・安心で快適な生活空間を創出し、社会の発展と人々の暮らしに貢献します。
・設立 1973年4月20日
・従業員数 1,808名(2025年3月31日現在)
・資本金 59億1,250万円
・売上高 1,615億円(2024年度実績)