ITを活用した社会イノベーション
基本的な考え方
近年、AIやIoT等の新技術の普及により、ビッグデータの利活用や事業のデジタル化が進展し、ITは業務の効率化にとどまらず、新たな事業の創出までを担っています。このようななか、NSDは、お客様のシステムの開発において新技術を駆使し、DX化を通じてお客様のさまざまな課題の解決を支援しています。
また、多くのお客様に共通する課題については、ソリューション・プロダクトの開発・提供を通じて、お客様の課題解決に取り組んでいます。
事例
DX
(デジタル・トランスフォーメーション)
NSDグループでは、IT企業の特性を活かした社会課題の解決に注力しており、近年は、以下のような社会課題の解決に尽力しています。
白板紙の生産計画作成を自動化
社会課題:作業効率化と技術継承

日本製紙株式会社様では、工場業務担当者の長年の経験と職人技で生産計画作成業務を実施してきましたが、生産年齢人口の減少に伴い、作業の効率化や技術継承が課題となっていました。NSD-DXテクノロジーでは数理最適化技術を用いて担当者の経験や生産設備による複雑な条件のアルゴリズム化を実現。これにより数時間を要していた業務が数秒~数分で実施可能となり、効率化・技術継承に貢献しました。
次世代水道事業DXを支援
社会課題:ライフラインの安全・安定的な運営、業務プロセス変革

水道事業体が対応を進めている「次世代水道事業DX」に関して課題抽出・対策検討等を実施しており、2024年3月の仙台市水道局様に続き、2025年3月には松本市上下水道局様とDX推進に関する連携協定を締結しました。当該取り組みを今後も積極的に推進し、水道ライフラインの安全・安定的な運営をITの側面から支援していきます。
e-加賀市民制度の公的個人認証の導入
社会課題:生産性向上、地方創生

石川県加賀市が進める「e-加賀市民制度」の公的個人認証の導入を支援しました。NSDでは、地方事業所開設や地方創生事業への寄付等を通じ、地方創生への取り組みを推進しています。その一環として、住民票の住所が加賀市以外であっても観光やワーケーション等で加賀市を訪れる人がネット上の加賀市民となりさまざまな行政サービスを受けられる「e-加賀市民制度」へ、マイナンバーカードを利用した認証iOSアプリケーションを提供しました。iOSのスキャン機能(NFC)でマイナンバーカードを読み取り公的個人認証サービスへ問い合わせを行うことで、個人認証に関するセキュリティ対策を強化しました。また、アプリケーションの開発のみならず、運営に必要なプラットフォーム側の準備や進行管理についてもコンサルティングを行いました。
化学物質の管理業務をシステム化
社会課題:生産性向上、コンプライアンス違反
日鉄建材株式会社様では、法令によって定められている化学物質の含有量を調査するため、製品・材料の購入先から安全データシートを入手し、製品単位で一覧化・使用量の管理を行っています。この一覧表の作成・チェックを手作業で行っていたため、誤認等によるコンプライアンス違反のリスク、記入漏れ・再チェック等による作業効率に課題を抱えていました。NSDでは、AI-OCR技術とNSD-DXテクノロジーが独自に開発した抽出アルゴリズムおよび文書構造化技術を用いて当該管理業務のシステム化を実現。膨大なチェック対象の化学物質の抽出や一覧の自動作成が可能となり、業務効率化に大きく貢献しました。
NSDのアプローチ(AI-OCR技術+文書構造化)


- 形式がバラバラな安全データシート(SDS)をAI-OCRで読みとり、必要な情報をデータ化
- 独自アルゴリズムで抽出・文書構造化処理を行い化学物質情報をデータベース化することで化学物質管理システムとして活用できる仕組みを構築

知的財産活用
NSDグループでは実用化を見据えた技術研究を推進しており、幅広くお客様に共通する課題を解決し実ビジネスに役立つソリューションとして活用を進めています。
発明の名称:手洗い評価システムとその方法
概要
表示デバイスに手洗いの手本動画と、カメラで撮影された利用者の手洗い動作を同時に表示することを備えた手洗い評価システムです。
活用例
手洗い評価ソリューション:テアライト
人に代わってAIが手洗い手順を常にチェック。正しく手洗いできるまでお手本動画でサポート。誰がいつ手洗いしたか、漏れなく記録されるため、コンビニエンスストアや食品工場など、衛生管理が重要なお客様の現場において、衛生管理チェックに対するエビデンス等に活用できます。また、組織や工場ごとに異なる手洗い手順に合わせてAIが学習し、お客様の環境に即した確実な手洗いの習慣化をサポートしています。多様な人材の採用が加速するフードビジネスにおいて、衛生意識面の向上に貢献します。
技術研究
NSD-DXテクノロジーで研究を進めてきた技術が実証フェーズに進んだことによりDX関連事業の実績が積み上がっています。同社では引き続き、生成AIをはじめとする社会的ニーズの高いDX関連技術の研究・概念実証に取り組んでいます。
数値解析・数理最適化
数学的な手法を用いて、さまざまな制約条件のなかから、目的が最大となるような解を見つける技術です。その技術を応用して、生産計画や倉庫業務の最適化、交通量予測等、さまざまな業務プロセスの効率化に貢献しています。アルゴリズムの軽量化や、実運用に即した形式で提供しています。
生成AI
これまで取り組んできた医療インシデント分析において一定の成果を出すことができました。また、問い合わせ対応業務の自動化にRAG(検索拡張生成)を活用した取り組みでは、培ったノウハウを活かしコンサルティング案件につなげることができました。
さらに、自社ソリューションへの実装や情報抽出、整形等への活用も進めており、足下では、プライベート生成AIプラットフォーム「BizInsight」の提供を開始しています。同製品は、オンプレミスなどの自社専用環境で、安全かつ容易に生成AIを利用できるパッケージソリューションであり、社内データと組み合わせることで、お問い合わせ対応や企画・営業などの業務の飛躍的な効率化に貢献しています。
その他新技術活用
従前からのコンテナ(Kubernetes)やマイクロサービス、モダンなフレームワーク・言語等のエコシステムに必要不可欠な新技術の調査・研究・活用を進めています。




